赤ちゃんが動き回るようになると、階段や台所など危険な場所への侵入を防ぐベビーゲートの設置が必要になります。しかし、市販品は価格が高かったり、自宅の間取りにぴったり合うサイズが見つからなかったりと、お悩みのママも多いのではないでしょうか。
この記事では、100均アイテムやホームセンターで手に入る材料を使った作り方から、DIYベビーゲートの安全性を高める工夫、設置時の注意点まで詳しく解説します。手作りと市販品のメリット・デメリット比較もご紹介しますので、お子さまの安全を守るための最適な選択ができるようになります。
ベビーゲートを手作りするメリットとデメリット
ベビーゲートの手作りを検討する際は、まずメリットとデメリットを正しく理解することが大切です。コスト面や自由度の高さなど魅力的な点がある一方で、安全性や耐久性については慎重に考える必要があります。ここでは、手作りベビーゲートと市販品それぞれの特徴を比較しながら、どのような場合に手作りが向いているのかを詳しく見ていきましょう。
手作りベビーゲートのメリット
手作りベビーゲートの最大のメリットは、設置場所に合わせて自由にサイズ調整ができることです。市販品では対応できない幅の広い間口や、特殊な形状の設置場所にもぴったりフィットするゲートを作ることができます。また、100均アイテムやホームセンターの材料を使えば、市販品の半額以下で作れるケースも多く、経済的な負担を大幅に軽減できます。
デザインの自由度が高いことも大きな魅力です。インテリアに合わせた色や素材を選べるため、部屋の雰囲気を損なわずに設置することができます。さらに、赤ちゃんの成長に合わせて高さを調整したり、補強を追加したりといったカスタマイズも自由自在です。DIYが好きな方にとっては、作る過程そのものが楽しい時間になるでしょう。
手作りベビーゲートのデメリットと注意点
手作りベビーゲートの最も大きなデメリットは、安全性の確保が難しい点です。市販品は安全基準に基づいて設計・製造されており、強度テストや安全性の検証が行われています。一方で手作り品は設計や施工のミスによって、転倒や破損のリスクが高まる可能性があります。
特に、階段上など転落の危険性が高い場所では、わずかな設計ミスが重大な事故につながる可能性があるため、手作りよりも安全性が確認された市販品の使用が強く推奨されます。また、手作りには材料の購入や製作に時間がかかり、すぐに設置できない点もデメリットといえるでしょう。
市販品と手作り品の比較表
手作りと市販品、それぞれの特徴を比較してみましょう。以下の表では主な項目について両者を比較しています。設置場所や優先事項によって、どちらが適しているかが変わってきます。
| 比較項目 | 手作りベビーゲート | 市販品ベビーゲート |
|---|---|---|
| 価格 | 1,000円~3,000円程度 | 3,000円~15,000円程度 |
| サイズ対応 | 自由に調整可能 | 対応サイズが決まっている |
| 安全性 | 作り方次第で不安定 | 安全基準クリア済み |
| 設置時間 | 数時間~1日 | 10分~30分程度 |
| デザイン | 自由にカスタマイズ可能 | 既製品から選択 |
| 耐久性 | 材料と作り方次第 | 高品質で長期使用可能 |
この比較表から分かるように、コストとカスタマイズ性では手作りが優れていますが、安全性と設置の手軽さでは市販品が推奨されます。リビングと廊下の境など比較的リスクの低い場所であれば手作りも選択肢になりますが、階段上など危険度の高い場所には市販品の使用を検討すべきでしょう。
より詳しい安全性や子ども視点の家づくりの工夫については、下記のレポートも参考にしてください。
子どもが育つ家づくりのコツ、教えます! | Sodate(ソダテ)
100均アイテムで作る簡単ベビーゲート
最も手軽に始められるベビーゲートの作り方は、100均のワイヤーネットと突っ張り棒を使った方法です。100均で手に入る材料だけで、設置場所に合わせたサイズのゲートを作ることができます。ここでは具体的な材料と作り方の手順を詳しく解説していきます。初めてDIYに挑戦する方でも取り組みやすい内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
必要な材料と道具
100均で揃えられる基本材料は、ワイヤーネット、突っ張り棒、結束バンド、滑り止めシートの4つです。ワイヤーネットは設置場所の高さと幅に応じて必要枚数を計算します。一般的な間口であれば、幅62cm×高さ40cmのワイヤーネット3~4枚が目安になります。赤ちゃんが乗り越えられない高さを確保するため、最低でも70cm以上の高さになるよう設計しましょう。
突っ張り棒は設置場所の幅に合わせて選びますが、耐荷重が高いものを選ぶことが重要です。安価な突っ張り棒は耐荷重が低く、赤ちゃんが体重をかけると外れてしまう危険性があります。できれば耐荷重5kg以上のものを選び、2本使用することで安定性を高めます。結束バンドはワイヤーネット同士を連結したり、突っ張り棒に固定したりする際に使用します。白色を選ぶと見た目もすっきりします。
道具としてはニッパーまたはハサミがあれば十分です。結束バンドの余った部分をカットする際に使用します。より安全性を高めたい場合は、突っ張り棒の滑り止めシートや、底部に置く重り用のレンガやブロックも準備すると良いでしょう。賃貸住宅の場合は壁面保護のために、クッション材やフェルトシートも用意しておくと安心です。
作り方の基本手順
まず、設置場所の幅と高さを正確に測定します。この寸法をもとに必要なワイヤーネットの枚数を決定しましょう。ワイヤーネットは結束バンドで連結していきますが、縦方向に2段重ねにすることで必要な高さを確保します。結束バンドは15cm間隔程度で留めると強度が増します。
次に突っ張り棒を設置する高さを決めます。上下2本の突っ張り棒を使用する場合、上部は天井近く、下部は床から10cm程度の位置に設置すると安定性が高まります。突っ張り棒を設置したら、ワイヤーネットを結束バンドでしっかりと固定していきます。この際、結束バンドは必ず締め付け方向に注意し、緩みがないようしっかりと締めることが大切です。
固定が完了したら、必ず安全性のテストを行いましょう。少しでもぐらつきや不安定さを感じた場合は、補強が必要です。底部に重りを置いたり、追加の結束バンドで固定箇所を増やしたりして、安定性を高めましょう。完成後も定期的に緩みがないかチェックすることが重要です。
強度を高める工夫とコツ
100均アイテムで作るベビーゲートは手軽ですが、強度面では市販品に劣ります。そのため追加の工夫で強度を高めることが必要です。まず、突っ張り棒の滑り止め対策として、設置面に滑り止めシートを貼り付けます。これにより突っ張り棒が横にずれることを防げます。
ワイヤーネットの底部には、重りとなるものを置くとさらに安定性が増します。100均で購入できるレンガ調ブロックや、ペットボトルに水を入れたものを使うと効果的です。見た目を気にする場合は、布やカバーで覆えば目立たなくなります。また、結束バンドの締め付けが甘いと徐々に緩んでくるため、定期的に増し締めを行うことも大切です。
赤ちゃんの安全性をさらに高める工夫としては、ワイヤーネットの網目にクッション材やスポンジを巻き付ける方法があります。これにより、万が一ぶつかってしまった場合でも、衝撃をやわらげることができます。ただしクッション材が誤飲の原因にならないよう、しっかりと固定することが大前提です。こうした工夫を組み合わせれば、100均アイテムでも実用的なベビーゲートを作ることができます。
手作りベビーゲートの安全性を高める重要ポイント
手作りベビーゲートで最も重要なのは安全性の確保です。どんなにコストを抑えられても、デザインが素敵でも、安全性が不十分では意味がありません。ここでは手作りベビーゲートの安全性を高めるための具体的なポイントと、設置後の定期的なチェック項目について詳しく解説します。これらのポイントをすべてクリアすることで、安心して使えるベビーゲートになります。
強度テストの実施方法
ベビーゲートを設置したら、必ず大人が実際に体重をかけて強度テストを行うことが絶対条件です。テストの手順は、最初にゲートの上部から下方向に体重をかけて、支柱が曲がったり、固定部分が外れたりしないかを確認します。次に横方向から押してみて、左右にぐらつきがないかをチェックします。さらにゲートの中央部分を前後に揺さぶり、接続部分に緩みがないかを確認しましょう。
耐荷重テストでは、実際に大人が寄りかかってみることが重要です。赤ちゃんは予想外の力でゲートに体当たりしたり、よじ登ろうとしたりするため、子どもの体重の3倍程度の負荷に耐えられることが理想的です。テスト中に少しでも不安を感じる箇所があれば、その部分を重点的に補強します。接続部分の増し締め、追加の固定具の取り付け、底部への重りの追加など、考えられる補強策をすべて実施しましょう。
設置場所の選定と危険度の評価
ベビーゲートを設置する場所によって、求められる安全性のレベルが大きく異なります。最も危険度が高いのは階段の上部で、万が一ゲートが外れた場合、転落による重大な事故につながる可能性があります。階段上への設置を検討している場合は、手作りではなく、安全基準をクリアした市販品の使用を強く推奨します。
リビングと廊下の境界、キッチンの入口など、比較的危険度が低い場所であれば、適切に作られた手作りゲートでも十分に機能します。ただしこのような場所でも、ゲートの向こう側に危険なものがないか、転倒した場合に硬い物や尖った物にぶつかる心配がないかを確認しておくことが大切です。設置予定の場所の床が滑りやすい素材の場合は、滑り止めシートを敷くなどの追加対策も検討しましょう。
ゲートの下部に段差ができる設計の場合、大人がつまずいて転倒する危険性があるため、できるだけフラットな設計を心がけることが重要です。特に夜間の暗い時間帯や、手に荷物を持っているときにつまずきやすいため、ゲート周辺の視認性を高める工夫も必要です。夜間灯を近くに設置したり、ゲートに反射テープを貼ったりすることで、つまずき事故を防ぐことができます。
暮らしやすさを追求した家づくりについて知りたい方には、平屋設計の魅力や子育て・家事・安全性を考えた間取りの実例が紹介されているこちらの記事もおすすめです。
【第7回レポート】おうちの学校「今大人気の平屋のお家って実際どうなの?家事・子育てのしやすい間取り大公開」 | Sodate(ソダテ)
絶対に避けるべき危険な作り方
手作りベビーゲートには、絶対に避けるべき危険な作り方や材料があります。まず、耐荷重が不明な材料や、明らかに強度不足の材料を使用することは厳禁です。例えば薄いプラスチック板だけで作ったゲートや、細い針金だけで格子を作るような構造は、簡単に破損する危険性があります。
固定方法が不十分なゲートも非常に危険です。突っ張り棒1本だけで固定する、結束バンドを数か所しか使わない、接着剤だけで固定するといった方法は、想定外の力が加わったときに簡単に外れてしまいます。また、尖った部分や硬い角がむき出しになっている構造も、赤ちゃんがぶつかったときに怪我をする原因になります。すべての角や尖った部分には、必ず保護カバーやクッション材を取り付けましょう。
特に危険なのは、赤ちゃんの頭が入る大きさの隙間があるゲートで、格子の間隔が10cmを超える場合は必ず網やメッシュで塞ぐ必要があります。また、床から10cm以上の段差ができる構造も、つまずき事故の原因になるため避けるべきです。安全性に少しでも不安がある場合は、手作りにこだわらず、市販品の購入を検討することも賢い判断といえるでしょう。
過去には、家に潜む危険な箇所についても紹介しています。赤ちゃんが安心安全に暮らせるよう、注意点や実例について理解することも大切です。
【第2回レポート】おうちの学校「安心して子育てができる『子ども基準』の家づくり編」 | Sodate(ソダテ)
まとめ
ベビーゲートの手作りは、コストを抑えながら設置場所に合わせたサイズのゲートを作れる魅力的な選択肢です。100均のワイヤーネットと突っ張り棒を使った簡単な方法から、イレクターパイプを使った本格的な方法まで、予算や技術レベルに応じて様々な作り方があります。賃貸住宅でも壁を傷つけない突っ張り式の設計にすることで、安心して設置することができます。
ただし手作りベビーゲートで最も重要なのは安全性の確保です。赤ちゃんの成長段階に合わせて補強や高さの調整を行い、常に安全性を最優先に考えることで、安心して使えるベビーゲートになります。手作りと市販品それぞれのメリット・デメリットを理解し、設置場所や用途に応じて最適な選択をしてください。
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