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【小児科医監修】赤ちゃんが歩くのはいつから?成長の目安と見守り方

目次
この記事を書いた人
武田 賢大 先生
武田 賢大 先生

小児科医。現在は北海道の大学病院や関連病院にて勤務。新生児領域を専門とする。
<略歴>
北海道大学卒業(2016年)
北海道大学小児科入局(2018年)
北海道の中核病院小児科や大学病院で勤務
<資格>
 日本小児科学会小児科専門医
 日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター
 PALSプロバイダー

赤ちゃんが歩き始める時期は、成長過程の中でも特に多くの親御さんが注目する大きな節目です。特に初めての育児では、周りの赤ちゃんと比較して「うちの子はまだ歩かない」と心配になることもあるでしょう。実際には赤ちゃんの歩行開始時期には大きな個人差があります。

この記事では、赤ちゃんの歩行発達の時期から前兆、安全な見守り方まで、小児科医監修のもと詳しく解説します。

赤ちゃんが歩き始める時期の目安

赤ちゃんが歩き始める時期として、生後11〜13ヶ月頃に初めての一歩を踏み出す子が多いとされています。ただし、これはあくまで平均的な時期であり、もっと早かったり、遅かったりする子も珍しくありません。これからお示しする歩行開始時期に歩行を獲得できれば基本的には問題はありません。

歩行開始時期の統計データ

赤ちゃんが歩き始める時期には大きな個人差があります。一般的には生後9〜18ヶ月の間に歩き始めることができれば正常範囲と判断されます。これは非常に幅広い範囲ですが、それだけ個人差が大きいということを示しています。

早い赤ちゃんでは生後8〜9ヶ月頃から歩き始める場合もありますし、ゆっくりなペースで成長している赤ちゃんでは1歳6ヶ月頃になってから歩き始めることもあります。

個人差が大きい理由

歩行の開始時期に個人差が生じる理由は様々ではっきりとした理由はありませんが、赤ちゃんの体格や筋力の発達速度が異なることが挙げられます。遺伝的な要因の関与する可能性も指摘されていますが、確立したことはありません。

環境的な要因も歩行開始の時期に影響を与えます。床が滑りやすい、歩き回るスペースが少ないなどの環境では歩行獲得の遅れに影響する可能性があります。また、兄弟や姉妹がいる場合は、お兄ちゃんやお姉ちゃんの真似をしたがって早く歩き始めることもよくあります。

歩き始めの早さにとらわれない考え方

歩行開始が早いからといって運動能力が優れているわけではありませんし、遅いからといって発達に問題があるわけでもありません。重要なのは歩行を始める時期ではなく、赤ちゃんが自分のペースで健やかに成長していることです。

特に注意しておきたいのは、他の赤ちゃんとの比較による不安です。SNSや育児雑誌で「○ヶ月で歩きました」という情報を見て焦る方保護者も多いですが、そうした情報に一喜一憂する必要はありません。赤ちゃん一人ひとりには固有の成長リズムがあり、それを尊重することが最も大切です。

月齢ごとの発達目安を把握しておくと、個人差に悩まされずに赤ちゃんのペースを見守れます。以下の記事も参考にしてみてください。

【小児科医監修】月例別!赤ちゃんの成長と発達 ? 0歳から1歳までの変化 | Sodate(ソダテ)

赤ちゃんが歩くまでの発達段階と前兆サイン

赤ちゃんの歩行発達は段階的に進みます。各ステップを理解することで、我が子の成長を安心して見守ることができます。また、歩き始める前には必ず前兆となるサインが現れるため、それらを知っておくことで心の準備もできるでしょう。

歩行発達の4つのステップ

歩行に至るまでの発達過程は、主に4つのステップに分けられます。ずりばいやはいはい、つかまり立ち、伝い歩き、そして独り立ちというステップを経て、最終的に歩行が可能になります。ただし、すべての赤ちゃんがこの順序通りに発達するわけではなく、中には一部のステップを飛ばして発達する子もいます。

まず、ずりばいやはいはいが生後7〜9ヶ月頃に見られる発達です。移動範囲が広がると同時に足腰の筋力が発達してきた証拠ともいえます。徐々に腰が上がる様になり、より高度なバランス感覚が身に付くことで、歩行獲得へと進んでいきます。

以下の表は、歩行に至るまでの4ステップについて、時期の目安と主な特徴を整理したものです。

 

ステップ 時期の目安 主な特徴
ずりばい・はいはい 生後7〜9ヶ月 手のひらと足で体を支える
つかまり立ち 生後7〜9ヶ月 家具につかまって立ち上がる
伝い歩き 生後9〜11ヶ月 家具を伝って横移動する
独り立ち 生後10〜12ヶ月 支えなしで数秒間立つ

過去につかまり立ちについても紹介しています。ぜひ下記の記事を参考にしてみてください。

つかまり立ちはいつから始まるの?練習方法とおすすめのおもちゃ6選 | Sodate(ソダテ)

歩き始める前兆となるサイン

赤ちゃんが歩き始める前には、いくつかの特徴的なサインが現れます。これらのサインが見られる様になると、お子さんの歩行獲得が近い可能性があります。最も分かりやすいサインは、独り立ちが10秒以上できるようになることです。これは、歩行に必要なバランス感覚と筋力が十分に発達したことを示しています。

また、伝い歩きがスムーズになり、家具から家具へと移動する際に一瞬手を離すことができるようになります。さらに、立っている状態で片足を上げる動作や、その場で足踏みをするような動きも見られます。これらは、歩行に必要な重心移動の練習をしている証拠です。

行動面でのサインとしては、歩いている大人の後をついて回ろうとする意欲が強くなることが挙げられます。また、靴に興味を示したり、外出時に歩きたがる素振りを見せたりすることもあります。これらの行動は、赤ちゃんが歩行に対する強い関心と意欲を持っていることを表しています。

シャフリングベビーの特徴

一部の赤ちゃんには「シャフリングベビー」と呼ばれる特徴があります。これは座った状態でお尻を使って移動する赤ちゃんのことで、ハイハイをせずにシャフリングで移動し、歩行開始が遅くなる傾向がありますが最終的な歩行獲得は問題ありません。これは歩行獲得までの移動スタイルの違いであり、発達の遅れや問題ではありません。

シャフリングベビーは全体の約3~4%の割合で見られます。このタイプの赤ちゃんは、座ったままの安全な移動を好む傾向があります。歩行開始は平均より2〜3ヶ月遅くなることが多いですが、一度歩き始めると安定した歩行を習得できます。

発達に関する心配事と相談の目安

赤ちゃんの歩行発達について不安を感じた時、どのような状況で専門家に相談すべきか迷うことがあります。適切な相談のタイミングを知ることで、必要に応じて早期のサポートを受けることができます。また、よくある心配事について理解することで、不安を軽減できます。

専門家への相談が推奨される状況

一般的に、生後18ヶ月を過ぎても歩行を開始しない場合は、小児科医への相談が推奨されます。ただし、これは絶対的な基準ではなく、その他の発達状況も総合的に判断する必要があります。つかまり立ちや伝い歩きができない、または筋力の発達に明らかな遅れが見られる場合は、早めの相談を検討することが大切です。

また、歩行以外の発達面での心配事がある場合も相談の対象となります。言葉の発達が著しく遅い、視線が合わない、音に反応しないなどの症状が見られる場合は、総合的な発達評価が必要な可能性があります。さらに、筋力の低下や関節の可動域制限など、身体的な問題が疑われる場合も早期の相談が重要です。

ただし、多くの場合は個人差の範囲内であることが多く、過度な心配は必要ありません。定期健診で相談することから始めて、必要に応じて専門医への紹介を受けるという段階的なアプローチが適切です。

よくある心配事への回答

歩行発達に関する保護者の心配事の多くは、個人差や発達の特性に関するものです。「ハイハイをせずに歩き始めても大丈夫?」という質問がよくありますが、ハイハイを飛ばして歩行を開始する赤ちゃんも一定数おり、その後の発達に問題がなければ心配はいりません。重要なのは全体的な発達のバランスです。

「つま先歩きをするのは異常?」という心配もありますが、歩き始めの時期にはよく見られる現象で、多くの場合は自然に改善されます。ただし、常につま先歩きしかしない場合や、2歳を過ぎても改善しない場合は相談が必要です。また、「O脚やX脚は治る?」という質問もありますが、幼児期のO脚は生理的なもので、成長とともに自然に改善することがほとんどです。

転倒の頻度についても心配される親御さんが多いですが、歩き始めの赤ちゃんが1日に何度も転ぶのはごく自然なことです。大切なのは転んだあとにまた立ち上がろうとする気持ちがあるかどうかで、それがある限り過度に心配する必要はありません。

ハイハイ期の目安やサポート方法も併せて知っておくと、歩行への移行を落ち着いて見守れます。以下の記事も参考にしてください。

ハイハイはいつから?赤ちゃんがはじめる目安とポイントを解説 | Sodate(ソダテ)

発達支援の方法と考え方

赤ちゃんの歩行をサポートするには、おうちでできる工夫がいくつかあります。 まずは、十分な運動機会を提供することが大切です。床に座らせる時間を多く作り、自由に動き回れるスペースを用意してあげましょう。また遊びの中で行うマッサージや体操も運動発達をサポートできる可能性があります。

栄養面でのサポートも重要です。元気に体を育てていくためには、タンパク質・カルシウム・ビタミンDなどの栄養が大切です。普段の食事で、少しずつ意識して取り入れてみましょう。また、十分な睡眠も成長ホルモンの分泌に重要で、質の良い睡眠環境を整えることが大切です。

何より重要なのは、赤ちゃんのペースを尊重することです。無理に歩かせようとしたり、他の子と比較して焦ったりせず、温かく見守る姿勢が最も効果的な支援となります。赤ちゃんが自信を持って次のステップに進めるよう、継続的にサポートを続けることが大切です。

赤ちゃんと一緒にできる「ベビーマッサージ」に関しても知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

ベビーマッサージのやり方と効果とは?赤ちゃんと一緒にリラックス! | Sodate(ソダテ)

まとめ

赤ちゃんの歩行開始時期は生後11〜13ヶ月が一般的ですが、9ヶ月から18ヶ月まで幅広い個人差があります。大切なのは他の赤ちゃんと比較することではなく、子どものペースを理解し温かく見守ることです。

歩行発達はつかまり立ちから独り立ちまで段階的に進み、それぞれのステップには意味があります。安全な環境づくりと適切な見守り方により、赤ちゃんが自信を持って歩行に挑戦できるようサポートしましょう。

心配事がある場合は一人で抱え込まず、定期健診や小児科医への相談を活用してください。多くの場合は正常な発達の範囲内であり、専門家のアドバイスにより不安を解消できます。赤ちゃんの成長スピードは一人ひとり異なります。焦らずに見守りながら、その子のペースで進んでいく過程を楽しみましょう。

赤ちゃんのこうした成長のひとつひとつを見守る毎日が、子育てのやりがいであり、同時に忙しさでもあります。そんな子育て期の暮らしをもっと快適にするためには、住まいの工夫も大切です。アイフルホームでは、赤ちゃんや子どもの成長に寄り添った「キッズデザイン」の視点から、安全で片付けやすく、育児がしやすい住まいをご提案しています。毎日の育児がもっとスムーズに、家族みんなが笑顔になれる住まいづくりを考えてみませんか?

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