離乳食を食べない赤ちゃんの理由を解説!月齢別の対策方法も紹介

「赤ちゃんが離乳食を食べてくれない」「離乳食を食べさせようとするとギャン泣きしてしまう」このように離乳食をあげることが、ストレスに感じているママは少なくありません。周りの赤ちゃんと比べて不安になってしまうこともありますよね。

この記事では、離乳食インストラクターの資格を持ち、ママだけでなく、保育士や調理師などの専門家に向けた講座も開催している筆者が、赤ちゃんが離乳食を食べてくれない理由と、月齢別の対策方法を紹介していきます。

 

離乳食を食べてくれなくてイライラ!疲れてしまう

赤ちゃんが離乳食を食べてくれないとイライラしてしまい、ママはストレスを溜めてしまいますよね。

ですが、赤ちゃんは離乳食を通して初めて「食べもの」「食べること」を知ります。

慣れるまでは、食べないくらいが普通、という気持ちで進めましょう。

離乳食を食べてくれなくても、母子手帳に載っている成長曲線から大きくずれていなければ、焦らなくて大丈夫。母乳やミルクでしっかり栄養がとれているのでしょう。

離乳食は、「食べることに慣れる」時期です。

無理に食べさせたりせず、ゆっくり赤ちゃんの気持ちやペースを尊重してあげましょう。

 

赤ちゃんが離乳食を食べずに泣く理由は?

赤ちゃんは様々な不快や嫌な気持ちを泣いて表現します。

赤ちゃんが離乳食を食べずに泣く理由は、以下のようなことが考えられます。

  • 母乳やミルクを飲みたい
  • 初めての食感に戸惑っている
  • 上手に飲み込めない
  • 他のものに興味がいってしまい気分がのらない
  • 体調が悪い

赤ちゃんが泣く理由に見当がつくと、ママは少し気持ちが楽になりますよね。

ここからは時期別に、離乳食を食べずに泣く理由と、対策ポイントを紹介します。

 

離乳初期(5ヶ月〜6ヶ月)|離乳食を食べずに泣く理由と対策

離乳食を始めたばかりの生後5〜6ヶ月頃の赤ちゃんは、今まで母乳やミルクを飲んでいたため「食べ物」自体はもちろんのこと、「食べること」に慣れていない時期です。

スムーズに進まなくて当たり前!と、気持ちにゆとりをもって取り組みましょう。

離乳初期における離乳食を食べない理由と、その対策ポイントをまとめて紹介します。

 

・離乳食を食べられる発達段階ではない

赤ちゃんは、生後5〜6ヶ月頃から舌が前後に動くようになり、食べ物を飲み込むことができるようになるため、これより月齢が早い時期に離乳食を始めることはおすすめしません。

また、赤ちゃんは「押し出し反射」という原始反射を持っています。

押し出し反射とは、何か物質が舌にあたると反射的に舌で押し出してしまうことで、生後5ヶ月を過ぎた頃から徐々に落ち着いてくると言われています。

離乳食を与えるときにスプーンごと舌で押し出してしまうようであれば、この原始反射が理由かもしれません。

嫌がっているわけではないので、焦らなくて大丈夫。翌日に再度チャレンジするなどして、上手く切り替えていきましょう。

 

・初めての食感やにおいに戸惑う

赤ちゃんは離乳食を通して、初めて「食べ物」を知ります。初めての食感やにおいに戸惑うのが当然なので、初めての食材は、1回につき1つまでにしましょう。

離乳食が始まる前まで母乳やミルクを飲んでいた赤ちゃんは、急に形のあるものを食べることはできません。

赤ちゃんが食べやすいように、そして初めての食感になるべく戸惑いを感じないように、なめらかなヨーグルト状に調理してあげることが必要です。

 

・スプーンの感触に戸惑う

意外と盲点なのが「スプーン」。離乳食講座に参加されたママたちから驚かれるのが、食べ物や調理法に上手くいかない理由があるのではなく、スプーンに好みがあったときです。

例えば金属のスプーンを使っている場合、「木製のスプーンに変えてみて」と、よくアドバイスをします。金属の冷たい感触を嫌がる赤ちゃんが多いんです。

また、横幅の広いスプーンを使っている場合。この頃の赤ちゃんの口は小さいので、幅が広いスプーンは食べにくい上に、口から離乳食をこぼしてしまう原因にもなります。

スプーンのサイズが原因でも、離乳食を吐き出しているように見えてしまうため、「食べてくれない」とがっかりしてしまうことが多いんです。

赤ちゃんの口の大きさに合わせて、横幅が細めのスプーンを選ぶようにしましょう。「スプーンを変えたら、よく食べるようになりました」というお声もたくさんいただきますので、ぜひ試してみてくださいね。

 

・おなかが空いていない

母乳やミルクを与えた時間からどのくらいが経ちましたか?おなかが空いていないと離乳食は食べられません。

いつも母乳やミルクを欲しがる時間に合わせて、離乳食にチャレンジしてみましょう。

 

離乳中期(7ヶ月〜8ヶ月)|離乳食を食べない理由と対策

離乳中期は、少しずつ離乳食に食べ慣れてきて2回食のリズムをつけたい時期。

そんな離乳中期における離乳食を食べない理由と、その対策ポイントをまとめてみていきましょう。

 

・食べ物の形状が合っていない

離乳食の形状が、なめらかなヨーグルト状からみじん切りになることで、戸惑う赤ちゃんが多い時期です。

食べてくれないときは、一度裏ごしに戻したり、裏ごしとみじん切りを混ぜたものから挑戦して、赤ちゃんの戸惑いが少なくなる工夫をしてみましょう。

また、片栗粉などを使ってとろみをつけることで、食べやすくしてあげるのも大切なポイントです。

 

・与えるペースは合ってる?

離乳中期の赤ちゃんは、舌が上下にも動くようになり、食べ物を舌で押しつぶしてから飲み込みます。

そのため、一気に与えてしまうと口の中が食べ物でいっぱいになってしまい、うまく食べ物を押しつぶすことができません。

赤ちゃんの食べている姿が可愛くて、次々と与えてしまいたくなりますが、ここはぐっと我慢が必要。赤ちゃんの口が空っぽになったことを確認してから、次のひと口をあげてくださいね。

 

・おなかが空いていない

2回食になると、離乳食の間隔が短かかったり、近い時間で母乳やミルクを飲んでいる可能性があります。そうすると、おなかがいっぱいで離乳食を食べることができません。

離乳食の間隔を4時間あけて、おなかが空いている状態を作ってあげましょう。

 

離乳後期(9ヶ月〜11ヶ月)|離乳食を食べない理由と対策

離乳後期は、手づかみ食べなどを通して食べ物への関心が高まる時期。

そんな離乳後期における離乳食を食べない理由と、その対策ポイントをまとめてみていきましょう。

 

・好みが出てきた

離乳後期にもなると、自我が芽生えてきます。「あれが食べたい」「これはいらない」と好みが出てくるでしょう。

同じ食材でも組み合わせを変えたり、調理方法を変えて変化を出してみてください。

どうしても嫌がる場合は、無理をせずに時間を決めて切りあげましょう。日を改めることで、すんなり食べてくれることもあります。

 

・遊び食べしてしまう

手づかみ食べも始まる離乳後期は、自分で食べることへの関心が高まり、食べ物を掴んでつぶしたり投げてみたり、口に運ぶ以外の行動も目立ってきます。

自分で食べることに慣れていないため、どうしていいか分からず、汚したりこぼしてしまうのは当然のこと。ひっくり返りにくいお皿を使ったり、床にレジャーシートを敷いたりして片付けやすい工夫をしておきましょう。

自分で食べることを学んでほしい時期なので、散らかるくらいなら最初から全部ママやパパが食べさせればいいと考える人も多いですが、その解決方法はおすすめできません。

でも、せっかく作った離乳食で遊ばれてしまうとママやパパは悲しいですし、大変ですよね。

遊んでばかりで食べない時間が続くのであれば、自由にさせるのは10〜15分と決めて時間を区切るようにすると、お互いにストレスを感じづらく、おすすめです。

 

離乳完了期(12ヶ月〜18ヶ月)|離乳食を食べない理由と対策

離乳完了期は、母乳やミルク以外の食べ物から栄養をとれるようになる時期です。今まで以上に「離乳食をしっかり食べてほしい」と考えるママやパパも多いと思います。

そんな離乳完了期における離乳食を食べない理由と、その対策ポイントをまとめてみていきましょう。

・メニューがマンネリ化してきた

3回食ということもあり、同じ食べ物に飽きてしまっている可能性があります。

食材の組み合わせを変えたり、調理方法を変えて変化を出してみましょう。

例えば、肉じゃがを作った次の日はトマトソースを加えて洋風にリメイク!または、カレー粉を加えてカレーにすることもできます。

毎日新しいメニューを作るのは大変ですが、ちょっとしたひと手間でマンネリ化を防ぐことができますよ。

 

・気が散ってしまう

おもちゃが目に入ったりTVがついていると、赤ちゃんは気が散ってしまって食べることに集中できません。

食卓の環境を整えてみましょう。

 

離乳食を食べてくれない時はあげなくてもいいの?食べないとどうなる?

離乳食を無理に食べさせようとすると、赤ちゃんが「食べること」自体を苦痛に感じてしまうかもしれません。もちろん、ママやパパもストレスに感じてしまいますよね。

「離乳食本に書かれている目安通りに食べないといけない」と思い込まずに、赤ちゃんの成長スピードに合わせて進めていきましょう。

赤ちゃんが離乳食を食べないと心配になりますが、機嫌がよく、体重がしっかり増えていれば大丈夫!

赤ちゃんの気分や食べる量にはムラがあるので、食べないときは「あんまりおなか空いてなかったかな?ごちそうさまにしよう」と言って、切り上げる勇気も必要です。

もし離乳食を食べない日が続いて、赤ちゃんがぐったりしていることが多い、体重が増えていない、減っているなどの変化があれば、かかりつけの小児科の先生や保健師さんに相談しましょう。

 

まとめ

赤ちゃんはママやパパの笑顔が大好きです。食べてくれないことに眉間にシワを寄せず、一度深呼吸をして「今はおなか空いてないのかな」と笑顔で受けとめてあげましょう。

逆にスムーズに食べられたときは、「美味しいね」「いっぱい食べれたね、すごいね」とたくさん褒めてあげることで、食べることを好きになってもらいましょう。

赤ちゃんが離乳食を食べない理由は様々です。そのときの赤ちゃんの様子を見て、お伝えした対策方法を参考にしてみてくださいね。

 

池田夕起
池田夕起

横浜でゆるっと気ままな暮らしをしている二児のママ。
自宅やオンラインで離乳食や幼児食のレッスン、ママや子どもに向けたおやつ作り教室など開催。
時には保育士、調理師、栄養士など専門家も受講する離乳食講師を務める「離乳食の専門家」です。
 ー実績ー
離乳食インストラクター協会2級講座講師
離乳食レシピ提供
離乳食レシピはcookpad人気検索1位獲得経験有
かんたんおやつ教室(ママ向け・キッズ向け・親子クッキング)開催
子育てや食をテーマに多数メディアにて執筆

インスタグラムアイコンホームページアイコン

SHARE

この記事をシェア

ポストする
Facebook
で送る
LINE
で送る
URLをコピー

RELATED

関連記事

ベビーゲートを手作りする方法!簡単&安全な作り方と注意点

ベビーサークルはいつまで必要?使い終わるタイミングと卒業後の活用法

【小児科医監修】新生児の鼻づまり対策|正しいケアと病院受診の目安

WHAT’S NEW

新着記事

押入れがなくても大丈夫!毎日使う布団の収納テクニック

家づくりの間取り図にある「PS」とは?役割と注意点

ベビーゲートを手作りする方法!簡単&安全な作り方と注意点