片栗粉の代用には何を使う?とろみ・揚げ物・つなぎの用途別食材とは!

片栗粉

料理中に「片栗粉がない!」と気づいて慌てた経験はありませんか。とろみをつけたい、揚げ物の衣にしたい、つなぎとして使いたいなど、片栗粉は家庭料理で幅広く活躍する食材ですが、切らしてしまうことや、アレルギーや糖質制限で使えないこともあります。実は、片栗粉の代わりに使える食材が、家庭にもある身近なもので見つかるのです。

本記事では、とろみ・揚げ物・つなぎという3つの主要な用途ごとに、おすすめの代用食材とその使い方、仕上がりの違いや注意点を詳しく解説します。

片栗粉を代用する時の基本と選び方

片栗粉の代用を考える前に、まずは片栗粉そのものの特性と、代用食材を選ぶ際の基本的なポイントを理解しておくことが大切です。役割を他の食材で代用するには、それぞれの特徴を知った上で適切に選ぶ必要があります。ここでは、片栗粉の基本知識と、代用食材を選ぶときの考え方を整理していきます。

片栗粉に関する基本知識

片栗粉は、じゃがいもから作られるデンプンを主原料とした粉末食材です。もともとはカタクリという植物の根から作られていましたが、現在市販されているものはほとんどがじゃがいもデンプンです。片栗粉の最大の特徴は、水と混ぜて加熱すると糊化し、透明でなめらかなとろみをつけられることです。また、揚げ物の衣に使うと軽くサクサクとした食感に仕上がり、つなぎとして使えばふんわりとまとまりやすくなります。

片栗粉は無味無臭で癖がなく、料理の味や風味を邪魔しないため、和洋中どんなジャンルの料理にも使いやすいのが魅力です。ただし、冷めると粘度が下がって水分が分離しやすい「老化」という性質があるため、作り置きには向きません。また、片栗粉は糖質が高めなので、糖質制限中の方やアレルギーがある方は代用食材を探す必要があります。こうした片栗粉の特性を知っておくと、代用品を選ぶときに「どの性質を再現したいか」が明確になり、失敗しにくくなります。

片栗粉代用のポイント

片栗粉の代用を選ぶときは、まず「何のために使うのか」を明確にすることが最も重要です。とろみをつけたいのか、揚げ物の衣にしたいのか、つなぎとして使いたいのか、用途によって適した代用食材は大きく異なります。たとえば、とろみをつけるならコーンスターチや小麦粉が定番ですが、揚げ物の衣には米粉や天ぷら粉のほうがサクサク感が出やすいです。つなぎとして使う場合は、卵やおからパウダーなど、粘りや結着力のある食材が向いています。

代用食材を選ぶときは、仕上がりの食感や見た目、アレルギーや糖質制限などの食事制限も考慮しましょう。コーンスターチは片栗粉に最も近い仕上がりで、透明感のあるとろみや軽い衣が作れますが、とうもろこしアレルギーの方は使えません。小麦粉はグルテンを含むため、グルテンフリーを意識する方には向きませんが、手に入りやすく失敗が少ないのが利点です。

片栗粉代用食材|とろみをつける場合

片栗粉の代わりにとろみをつけるには

料理にとろみをつけるのは、片栗粉の最も代表的な使い方です。あんかけや中華スープ、カレー、シチューなど、とろみがあることで料理にまろやかさや食べやすさが生まれます。ここでは、代表的な代用食材とその使い方を詳しく見ていきましょう。

小麦粉でとろみをつけるコツ

小麦粉は、家庭に常備されていることが多く、手軽に使える代用食材の筆頭です。片栗粉と同じようにとろみをつけることができますが、仕上がりには違いがあります。小麦粉を使うと、片栗粉ほど透明感は出ず、やや白っぽく濁った仕上がりになります。また、グルテンの働きでとろみがしっかりとつき、冷めても比較的粘度が保たれやすいのが特徴です。片栗粉は冷めると水分が分離しやすいのに対し、小麦粉は時間が経っても安定しやすいため、作り置きやお弁当のおかずにも向いています。

小麦粉でとろみをつけるときは、水で溶いてから加えるか、バターや油と炒めて「ルウ」を作る方法があります。水溶きの場合は、小麦粉1に対して水2〜3の割合でよく混ぜ、ダマにならないようにしっかり溶かしてから料理に加えます。加熱しながらしっかり混ぜ続けることで、小麦粉の粉っぽさが消え、なめらかなとろみがつきます。小麦粉は生のままだと粉臭さが残るため、必ず十分に加熱することがポイントです。シチューやカレーなど、濃厚な仕上がりが好まれる洋風料理とは特に相性が良いです。

ただし、小麦粉はグルテンを含むため、グルテンフリーを意識している方やアレルギーのある方は使えません。また、片栗粉よりもカロリーや糖質がやや高めなので、ダイエット中の方は使用量に注意が必要です。

健康を意識した食生活については以下の記事でも紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

コロナ禍だからこそ暮らしの中で健康づくり  肺をすこやかに整える薬膳的食生活のコツ | Sodate(ソダテ)

コーンスターチでとろみをつけるコツ

コーンスターチは、とうもろこしから作られるデンプンで、片栗粉に最も近い仕上がりが得られる代用食材です。透明感のあるなめらかなとろみがつき、風味も控えめなので、和洋中どんな料理にも使えます。片栗粉と同じように水で溶いてから加熱するだけで簡単にとろみがつき、使い方もほぼ同じです。コーンスターチは粒子が細かく、ダマになりにくいのも利点で、初めて使う方でも扱いやすいでしょう。

コーンスターチを使う場合の分量は、片栗粉とほぼ同量で問題ありませんが、やや粘度が弱めなので、とろみを強くしたいときは少し多めに使うと良いです。水溶きの目安は、コーンスターチ1に対して水2〜3程度です。料理に加える際は、必ず火を弱めてからゆっくりと流し入れ、全体をかき混ぜながら再加熱します。急に強火で加熱すると、一部だけが固まってダマになることがあるので注意しましょう。

コーンスターチは透明感が高く、あんかけや中華料理のとろみづけに特に適しています。エビチリや酢豚、麻婆豆腐など、見た目の美しさも大切な料理には、コーンスターチを使うと仕上がりが一段と美しくなります。また、片栗粉と同様に冷めると粘度が下がりやすいため、できるだけ温かいうちに食べるのがおすすめです。ただし、とうもろこしアレルギーの方は使用できないので、その場合は他の代用品を検討しましょう。

片栗粉代用食材|揚げ物の衣の場合

片栗粉の代わりの衣付けは?

揚げ物の衣として片栗粉を使うと、サクサクと軽い食感が楽しめます。唐揚げや竜田揚げなど、衣のカリッとした仕上がりが魅力の料理には欠かせません。ここでは、揚げ物の衣として使える代用食材と、そのコツを詳しく解説します。

小麦粉+卵で揚げ物をカリッと仕上げる

小麦粉は、揚げ物の衣としても定番の代用食材です。片栗粉のような軽いサクサク感よりも、しっとりとした衣に仕上がるのが特徴ですが、卵を組み合わせることでカリッとした食感を出すことも可能です。小麦粉だけを薄くまぶして揚げると、表面が軽く色づき、ふんわりとした衣になります。一方、小麦粉に卵と水を加えて衣液を作り、食材をくぐらせてから揚げると、天ぷらのような衣ができます。

小麦粉を使った揚げ物は、片栗粉ほどサクサク感は出ませんが、衣がしっかりとついて食べ応えがあります。唐揚げやフライドチキンには、小麦粉と片栗粉を混ぜて使う方法もおすすめです。小麦粉と片栗粉を1:1で混ぜると、両方の良いところが引き出され、サクサク感としっとり感のバランスが取れた衣に仕上がります。

小麦粉には粘りが出やすいため、衣が剥がれにくく、初心者でも失敗しにくいのが利点です。過去には、料理初心者の方にも挑戦可能な簡単なおかずレシピも紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

お弁当の作り置きおかず30選!簡単レシピを紹介【栄養士・調理師監修】 | Sodate(ソダテ)

天ぷら粉や米粉の活用法

天ぷら粉や米粉は、揚げ物の衣として片栗粉の代わりに使える便利な食材です。天ぷら粉は小麦粉をベースに卵やベーキングパウダーなどが配合されており、水で溶くだけで簡単に衣液が作れます。天ぷら粉を使うと、サクサクとした軽い食感の衣ができ、野菜や魚介類の天ぷらに最適です。片栗粉の代用としてそのまま粉をまぶして揚げることもでき、手軽に使えるのが魅力です。

米粉は、米を細かく挽いた粉で、グルテンフリーなのが大きな特徴です。小麦粉よりも粒子が細かく、衣が薄くつくため、片栗粉に近いサクサクとした軽い仕上がりが得られます。米粉を使った揚げ物は、油切れが良く、カラッと揚がりやすいため、唐揚げや竜田揚げ、フライなど幅広い料理に向いています。また、米粉は時間が経っても衣がベタつきにくいので、お弁当のおかずにもおすすめです。

米粉を使う場合は、片栗粉と同じように食材に直接まぶして揚げるだけでOKです。米粉は水分を吸いやすいため、揚げる直前にまぶすとより均一な衣がつきます。米粉と片栗粉を混ぜて使うと、より軽くサクサクとした食感が楽しめるので、試してみる価値があります。

片栗粉代用食材|つなぎとして使う場合

片栗粉は、ハンバーグや肉団子、つみれ、お好み焼きなど、食材をまとめるつなぎとしても活躍します。つなぎとして使うことで、材料がバラバラにならず、ふんわりとした食感や成形のしやすさが生まれます。ここでは、つなぎとして使える代用食材とその活用法を詳しく見ていきましょう。

卵や小麦粉でハンバーグや団子のつなぎ

卵と小麦粉は、つなぎとして最もポピュラーで失敗の少ない代用食材です。卵は液体でありながら加熱すると固まる性質があり、食材同士を結びつける力が強いため、ハンバーグや肉団子、つみれなどに最適です。卵を加えることで、ふっくらとジューシーな仕上がりになり、成形もしやすくなります。卵1個で、中サイズのハンバーグ4個分程度のつなぎが十分にまかなえます。

小麦粉は、卵と組み合わせて使うことでさらに強力なつなぎになります。小麦粉に含まれるグルテンが、粘りと弾力を生み出し、食材をしっかりとまとめます。ハンバーグや肉団子を作るときは、ひき肉に対して小麦粉を大さじ1〜2杯程度加えると、型崩れしにくく、ふんわりとした食感が得られます。小麦粉だけでもつなぎとして十分に機能しますが、卵と一緒に使うことで、より滑らかでジューシーな仕上がりになります。

卵や小麦粉を使う場合は、よく混ぜ合わせて粘りを出すことがポイントです。ハンバーグのタネを作る際は、材料を混ぜてから少し休ませると、粘りが出てまとまりやすくなります。また、卵や小麦粉はどちらも風味が控えめなので、どんな料理にも合わせやすく、初心者にもおすすめです。ただし、卵アレルギーや小麦アレルギーの方は使えないため、その場合は他の代用品を選ぶ必要があります。

豆腐を使ったヘルシーつなぎ

ヘルシー志向の方や糖質制限中の方におすすめのつなぎ代用食材が豆腐です。水分が多いため、混ぜ込むとふんわりとした食感になり、やさしい口当たりに仕上がります。使う際は、木綿豆腐をよく水切りしておくと、べたつかず扱いやすくなります。また、ひき肉に加えることでカサ増しになり、経済的で軽い仕上がりのハンバーグや団子を作ることができます。風味自体は主張しないため、料理の味を邪魔しないのも特長です。

豆腐を使ったつなぎは、糖質制限やダイエット中の方、大豆の栄養を取り入れたい方に最適です。ただし、大豆アレルギーの方は使用を避ける必要があります。通常より柔らかく崩れやすくなることがあるため、成形時はそっと扱いましょう。ヘルシーでありながら満足感のある料理に仕上げたいときにぴったりの方法です。

過去には、離乳食用の豆腐ハンバーグについても紹介しています。お子様がいる家庭は、ぜひこちらのレシピを参考にしてみてください。

【離乳食後期】豆腐ハンバーグのレシピと冷凍保存のコツ!手づかみ食べにおすすめ!! | Sodate(ソダテ)

まとめ

片栗粉がないときでも、家庭にある身近な食材で十分に代用できることがお分かりいただけたでしょうか。代用食材を選ぶときは、用途や仕上がりの好み、食事制限を考慮し、自分に合ったものを選びましょう。

片栗粉の代用を知っておくことで、料理の幅が広がり、いざというときも慌てず対応できるようになります。この記事で紹介した代用食材や使い方を参考に、ぜひいろいろな料理に挑戦してみてください。

アイフルホームが展開するFAVOでは、「どう建てるかではなく、どう暮らすか」をコンセプトに、一人ひとりのライフスタイルに寄り添った住まいをご提案しています。家事動線や掃除のしやすさまで考え抜いた間取りで、毎日の暮らしを楽にする住まいを実現できます。より快適でストレスフリーな暮らしを叶えたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

藤井絵里加
藤井絵里加

出産をきっかけに退職するまで、栄養士・調理師として勤務。
自身の経験を活かして、家庭でも頑張ろうと意気込むものの、イヤイヤ期の壁に悩まされ、食に悩むママの気持ちを痛感。
無理なく、楽しめる育児を心掛け、自分の経験を活かした発信ができればと、パートの合間にライターとして活動中の2児の母。

インスタグラムアイコン

SHARE

この記事をシェア

ポストする
Facebook
で送る
LINE
で送る
URLをコピー

RELATED

関連記事

押入れがなくても大丈夫!毎日使う布団の収納テクニック

effectiveness-of-boiled-water2

白湯とお湯の違いと効果とは!水道水からケトルやレンジでの作り方!

【お風呂掃除の徹底ガイド】簡単な方法と時短便利グッズ

WHAT’S NEW

新着記事

押入れがなくても大丈夫!毎日使う布団の収納テクニック

家づくりの間取り図にある「PS」とは?役割と注意点

ベビーゲートを手作りする方法!簡単&安全な作り方と注意点