生後11ヶ月の赤ちゃんは離乳食後期に入り、食への興味や自分で食べる意欲が高まる大切な時期です。離乳食を通じて「食べる楽しさ」を感じられるよう、適切な食材選びと調理方法がママやパパの大きな関心事ではないでしょうか。
この時期の赤ちゃんは手づかみ食べを始め、歯ぐきでつぶせる固さの食べ物に挑戦する頃。毎日の離乳食作りに悩むママも多いと思います。この記事では、生後11ヶ月の赤ちゃんにぴったりな離乳食の進め方や食材選び、簡単レシピまで詳しくご紹介します。
生後11ヶ月の離乳食の特徴と進め方のポイント
離乳食後期は、赤ちゃんの成長に合わせた適切な離乳食の提供が大切になります。
離乳食後期の基本ポイント
離乳食後期には、赤ちゃんの咀嚼能力や消化機能がさらに発達し、より多くの食材や調理法に挑戦できるようになります。この時期の主な特徴は以下の通りです。
- 歯ぐきでつぶせる固さ(バナナ程度)の食べ物が食べられるようになる
- 食事リズムが1日3回の食事パターンに近づいていく
- 自分で食べたいという意欲が高まり、手づかみ食べが活発になる
- コップからの飲み物摂取も少しずつ練習する時期
離乳食後期は「食べる力」と「食べる意欲」を育てる重要な時期です。赤ちゃんのペースに合わせながら、楽しく食事ができる環境づくりを心がけましょう。
1日の食事回数と適切な量
生後11ヶ月の赤ちゃんは、少しずつ大人の食事リズムに慣れていく時期です。この時期の適切な食事回数と量について理解しておきましょう。
離乳食後期の食事は基本的に1日3回です。朝・昼・夕の生活リズムに合わせて、規則正しく食事を提供することが大切です。ミルクや母乳の回数は少しずつ減ってきますが、まだ栄養の面では欠かせない存在です。
食事の量については個人差がありますが、一般的な目安として以下の量を参考にしてください。
食材の種類 | 1回あたりの目安量 |
---|---|
主食(軟飯など) | 90〜小さい茶碗1杯程度(80〜100g) |
野菜・果物 | 30〜40g |
たんぱく質(魚・肉・豆腐など) | 15〜20g |
ただし、これはあくまで目安であり、赤ちゃんの食欲や体調に合わせて調整することが大切です。無理に食べさせるのではなく、赤ちゃんの食べる意欲を尊重しましょう。
さらに、赤ちゃんの月齢別の離乳食の量について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
赤ちゃんの月齢別!離乳食の量の目安と増やし方のコツは? | Sodate(ソダテ)
生後11ヶ月の赤ちゃんにおすすめの食材
生後11ヶ月の赤ちゃんには、栄養バランスのよい多様な食材を取り入れることが大切です。発達段階に適した食材選びのポイントを見ていきましょう。
主食となる穀類の選び方と調理法
主食は赤ちゃんにとって重要なエネルギー源です。生後11ヶ月頃には、徐々に大人の食事に近い形で提供できるようになります。
この時期におすすめの主食とその調理法は以下の通りです。
- 軟飯:普通のご飯よりも少し柔らかめに炊いたもの
- 小さなおにぎり:軟飯を一口サイズに丸めたり、スティック状にしたりして手づかみ食べしやすく
- パン粥:食パンを牛乳や野菜スープでふやかしたもの
- うどん:柔らかく茹でて小さく切り、つるつる食べられる楽しさを味わえる
- おじや:野菜や魚、肉などを入れて栄養バランスを考えた一品に
主食は手づかみしやすい形状に整えることで、赤ちゃんの自分で食べる意欲を引き出せます。例えば、スティック状のおにぎりは握りやすく、口に運びやすいので特におすすめです。
野菜・果物の取り入れ方
野菜や果物は、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、赤ちゃんの健康的な成長に欠かせません。生後11ヶ月頃には、さまざまな種類の野菜や果物を楽しめるようになります。
おすすめの野菜・果物とその調理法は、以下のとおりです。
食材 | 調理のポイント | メリット |
---|---|---|
にんじん | よく煮て柔らかく、スティック状に切る | ビタミンAが豊富、手づかみしやすい |
ブロッコリー | 小房に分けて柔らかく茹でる | 鉄分・カルシウム豊富、つかみやすい形状 |
かぼちゃ | 煮るか蒸して裏ごし、または一口サイズに | 甘みがあり食べやすい、ビタミンE豊富 |
バナナ | そのままか少し潰して、または短冊切りに | 自然の甘さ、手づかみ食べの練習に最適 |
りんご | 皮をむいて煮るか、すりおろす | 食物繊維が豊富、自然な甘さを楽しめる |
野菜たっぷりメニューを取り入れる際は、彩りよく複数の野菜を組み合わせると、見た目も楽しく、さまざまな栄養素を摂取できます。例えば、にんじん、じゃがいも、玉ねぎを使った野菜スープや、かぼちゃとブロッコリーの温野菜サラダなどがおすすめです。
タンパク質食材の種類と与え方
タンパク質は赤ちゃんの筋肉や臓器の発達、免疫機能の維持に重要な栄養素です。生後11ヶ月頃には、さまざまなタンパク質食材を取り入れることができます。
この時期に適したタンパク質食材には次のようなものがあります。
- 白身魚(たら、鯛など):骨を丁寧に取り除き、蒸すか煮る
- 鶏ひき肉:しっかり加熱して団子状にすると食べやすい
- 豆腐:手で崩せるくらいの柔らかさで提供
- 納豆:粘り気が強いので少量から始め、細かく刻む
- 卵:全卵を使えるようになるが、しっかり加熱する
- チーズ:少量から始め、加熱して与える
タンパク質食材を与える際は、鉄分豊富な食材(レバーや赤身肉、小松菜など)を意識的に取り入れることで、貧血予防にも役立ちます。ただし、新しい食材を取り入れる際は、アレルギー反応に注意して、1種類ずつ少量から始めましょう。
さらに、離乳食後期や完了期の進め方やレシピを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
離乳食後期(9〜11カ月)・完了期(12〜18カ月)の進め方やレシピを紹介! | Sodate(ソダテ)
赤ちゃん向けおすすめレシピと調理のコツ
理論を理解したら、実践に移しましょう。ここでは、赤ちゃんに喜ばれる簡単レシピと調理のコツをご紹介します。
手づかみ食べに最適なレシピ
手づかみ食べは自分で食べる意欲を育てる大切な練習です。赤ちゃんが自分でつかんで食べやすいレシピをいくつかご紹介します。
スティックおにぎり
【材料】
・軟飯 80g
・少量の塩(必要に応じて)
【作り方】
1. 軟飯を細長いスティック状に握ります
2. 握りすぎず、程よい固さに仕上げるのがポイントです
3. 必要に応じて、ごく少量の塩で味付けします
野菜スティック
【材料】
・にんじん 1/4本
・かぼちゃ 1/8個
・さつまいも 1/4本
【作り方】
1. 各野菜を指の太さくらいのスティック状に切ります
2. 柔らかくなるまで蒸すか煮ます(歯茎でつぶせる程度)
3. 少し冷ましてから提供します
豆腐ステーキ
【材料】
・木綿豆腐 1/4丁
・片栗粉 小さじ1
・野菜スープ 少々(味付け用)
【作り方】
1. 豆腐の水気をきり、手で崩さないよう優しく片栗粉をまぶします
2. フライパンで両面をこんがり焼きます
3. 一口大に切って少し冷ましてから提供します
手づかみ食べのレシピを作る際は、小さな手でつかみやすく、口の中でほぐれやすい固さに調整することがポイントです。また、滑りにくい食材を選ぶと、赤ちゃんが自分で食べる成功体験につながります。
離乳食における味付けのコツ
生後11ヶ月頃になると、少しずつ味付けのある食事に慣れていく時期です。ただし、まだ赤ちゃんの腎臓は発達途上のため、塩分や糖分の摂りすぎには注意が必要です。
基本の味付けの考え方
離乳食後期の味付けには以下のポイントを意識しましょう。
- 基本は「薄味」を心がける(大人の1/3〜1/2程度の味付け)
- 素材の持つ自然な味や甘みを生かす
- 調味料は複数組み合わせるよりもシンプルに
- だし(昆布、かつお、野菜など)を活用して旨味をプラス
おすすめの調味料と使用量の目安
調味料 | 使用量の目安(1食分) | 使用のポイント |
---|---|---|
塩 | ひとつまみ程度(0.1g未満) | 料理の仕上げに少量使用 |
しょうゆ | 2〜3滴程度 | 仕上げに風味づけとして |
みそ | 小さじ1/8程度 | スープや和え物に少量 |
だし汁 | 適量 | 素材の旨味を引き出す基本 |
野菜の甘み | – | にんじん、玉ねぎなどの自然な甘みを活用 |
味付けの際は、素材の持つ自然な味わいを大切にし、少量の調味料で風味をつける程度を心がけましょう。この時期に濃い味に慣れさせると、将来的な味覚形成や食習慣に影響することもあります。
栄養バランスを考えた献立例
生後11ヶ月の赤ちゃんには、主食・主菜・副菜のバランスを意識した献立を心がけましょう。一日の献立例をご紹介します。
朝食の献立例
・主食:パン粥(食パン1/4枚分を牛乳でふやかしたもの)
・主菜:スクランブルエッグ(全卵1/2個分)
・副菜:にんじんとほうれん草のやわらか煮
・デザート:バナナ(1/4本程度)
昼食の献立例
・主食:軟飯(80g程度)
・主菜:白身魚の野菜あんかけ(たら15g+野菜)
・副菜:かぼちゃサラダ(マッシュしたかぼちゃにヨーグルト少々)
・汁物:豆腐と小松菜のすまし汁
夕食の献立例
・主食:うどん(細かく切ったもの80g程度)
・主菜:鶏ひき肉と豆腐のつくね(鶏ひき肉15g+豆腐)
・副菜:ブロッコリーとにんじんのやわらか煮
・デザート:りんごの煮物(皮をむいて柔らかく煮たもの)
献立を考える際は、色とりどりの食材を使うことで、見た目の楽しさと同時にさまざまな栄養素をバランスよく摂取できます。また、旬の食材を取り入れることで、季節感を味わいながら食育にもつながります。
栄養バランスを偏らずに食事をとることは赤ちゃんにとって大切です。もし、離乳食を進んで食べない場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
離乳食を食べない赤ちゃんの理由を解説!月齢別の対策方法も紹介 | Sodate(ソダテ)
まとめ
生後11ヶ月の離乳食は、赤ちゃんが「食べる力」と「食べる楽しさ」を身につける重要な時期です。離乳食後期にあたるこの時期は、歯ぐきでつぶせる固さの食材を中心に、手づかみ食べも取り入れながら進めていきましょう。
また、この時期は栄養バランスを考えた食材選びや調理方法が求められます。鉄分を多く含む食材を取り入れたり、赤ちゃんが食べやすい形に工夫したりすることで、食事の時間がより楽しく、かつ健康的になります。食材の種類や調理方法を少しずつ広げることで、赤ちゃんの食事に対する興味や挑戦心も育まれます。
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