日頃から、離乳食作りに悩む親御さんは多いでしょう。「時間がない」「何を食べさせれば良いのか」「栄養バランスは適切か」といった疑問や不安を抱えながら、日々取り組んでいることと思います。そこでおすすめしたいのが、「豆腐」を使った離乳食です。
豆腐は栄養豊富で消化がよく、離乳食初期(5〜6カ月)から取り入れられる頼もしい食材です。この記事では、月齢別の豆腐の調理法や簡単レシピをご紹介します。今日から使える実践的な内容ですので、離乳食づくりの参考にしてください。
離乳食に豆腐を使うメリット
まずは、なぜ離乳食に豆腐がおすすめなのか、そのメリットについてご紹介します。豆腐には赤ちゃんの成長に嬉しいポイントがたくさんあるんですよ。
栄養価が高く消化にやさしい
豆腐は植物性タンパク質が豊富で、カルシウムも含まれています。肉や魚に比べて消化がよいため、赤ちゃんの未発達な消化器官にも負担をかけません。特に離乳食初期から取り入れられる数少ないタンパク源として、栄養バランスを整えるのに役立ちます。
また、豆腐に含まれる大豆イソフラボンも成長期の赤ちゃんにとって有益な栄養素です。さらに、豆腐は脂質が少なく、赤ちゃんの胃腸への負担が少ないという特徴もあります。
調理が簡単で時短になる
豆腐はそのままでも柔らかく、加熱時間も短くて済むため、忙しい育児の合間の離乳食作りにぴったりです。絹ごし豆腐なら加熱後につぶすだけで離乳食初期から使えますし、木綿豆腐なら少し固めなので離乳食中期以降のレパートリーが広がります。
生の状態から柔らかいため、長時間煮込む必要がなく、電子レンジで加熱するだけでも調理できるのが大きな魅力です。時間のない朝や、疲れた夜でも手軽に準備できます。
アレンジの幅が広い
豆腐は味が淡白なので、様々な食材と組み合わせることができます。野菜ピューレと混ぜたり、果物と合わせたりとアレンジの幅が広いのも魅力的です。
月齢が上がるにつれて、お味噌汁の具にしたり、ハンバーグのつなぎに使ったり、おやきにしたりと、レパートリーが広がっていきます。これだけ幅広く使える食材は、離乳食づくりの心強い味方になります。
月齢別の豆腐の調理方法とポイント
赤ちゃんの成長に合わせた豆腐の調理法を月齢別にご紹介します。それぞれの時期に合った形状や量、調理のコツをマスターして、離乳食づくりをもっと楽しく、簡単にしましょう。
離乳食初期(生後5〜6カ月頃)の豆腐
離乳食を始めたばかりの時期は、赤ちゃんの消化機能がまだ未熟です。この時期は絹ごし豆腐がおすすめです。口当たりがなめらかで、赤ちゃんも食べやすいからです。
まずは1回あたり5〜10gを目安に始めてみましょう。調理方法は以下の通りです。
- 沸騰したお湯で1~2分茹でる(または耐熱容器に水と一緒に入れて電子レンジ〈600W〉で20~30秒加熱)
- 粗熱を取ってからすり鉢などですりつぶす
- お湯またはだし汁でポタージュ状~ジャム状に伸ばす
最初は水分多めのなめらかなペースト状にして、徐々に水分を減らしていきましょう。慣れてきたら裏ごしせずに、少し粒感が残る程度でも大丈夫です。
生後5〜6カ月頃の赤ちゃんの離乳食の進め方やレシピについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。離乳食初期(5〜6ヶ月)・ゴックン期の進め方やレシピを紹介!| Sodate(ソダテ)
離乳食中期(生後7〜8カ月頃)の豆腐
中期に入ると、赤ちゃんも少しずつ食べることに慣れてきます。量も15g程度まで増やせる時期です。この頃になると舌で押しつぶせる程度の固さのものが食べられるようになります。
調理の目安としては、なめらかなペーストから少し粒感を残した状態へと移行していきましょう。絹ごし豆腐だけでなく、少し固めの木綿豆腐も取り入れ始める時期です。以下のように使ってみましょう。
- 豆腐はフォークで軽くつぶす程度でOK
- にんじんやかぼちゃなど他の野菜のペーストと混ぜる
- おかゆに混ぜて栄養価アップ
中期の離乳食では、徐々に食材の組み合わせを増やしていくことが大切です。豆腐は様々な食材と相性が良いため、アレンジがしやすいです。
離乳食後期〜完了期(生後9〜18カ月頃)の豆腐
後期になると、赤ちゃんは手づかみ食べを始める時期です。この頃には歯ぐきで噛めるくらいの固さのものが食べられるようになります。豆腐料理もさらにバリエーションが広がる時期です。
この時期におすすめなのが、形が崩れにくい「豆腐ハンバーグ」や「豆腐おやき」などです。手づかみしやすい大きさにすることで、赤ちゃんも自分で食べるのを楽しめます。
また、後期以降の豆腐メニューは冷凍保存もできるものが多いので、まとめて作っておくと忙しい日の離乳食作りの負担が減ります。豆腐に野菜や魚、肉を組み合わせたレシピは栄養バランスも整いやすいのでおすすめです。
豆腐を使った簡単レシピ
実際に作れる豆腐レシピを月齢別にご紹介します。お子さんの成長に合わせてチャレンジしてみてください。どれも短時間で作れる簡単レシピばかりです。
【初期向け】基本の豆腐ペースト
離乳食初期の基本となる豆腐ペーストのレシピです。シンプルながらも、豆腐本来のやさしい味わいを楽しめます。
材料(1回分)
- 絹ごし豆腐 10~20g
- お湯またはだし汁 適量
作り方
- 沸騰したお湯に豆腐を入れて約1~2分茹でる(または耐熱容器に水と豆腐を入れ、ラップをして電子レンジ600Wで20秒加熱でも可)
- 粗熱が取れたらすり鉢などですりつぶす(慣れない場合は裏ごしするとより滑らかになります)
- お子さまの成長段階に合わせてお湯またはだし汁で伸ばして完成
初めて豆腐を与える際は、少量から始めて赤ちゃんの様子を観察しましょう。アレルギー反応がないことを確認できたら、徐々に量を増やしていきます。
【中期向け】豆腐と野菜のやわらかミックス
離乳食中期になると、少しずつ食材を組み合わせることができるようになります。この豆腐と野菜のミックスは栄養バランスも良く、色味も楽しいレシピです。
材料(1回分)
- 絹ごし豆腐 20g
- にんじん 10g
- ほうれん草 5g
- だし汁 大さじ1
作り方
- にんじんとほうれん草は下ゆでし、細かく刻むかフードプロセッサーでペースト状にする
- 豆腐は電子レンジで20秒ほど加熱し、フォークで軽くつぶす
- すべての材料を混ぜ合わせ、だし汁で赤ちゃんが食べやすい固さに調整する
色とりどりの野菜を組み合わせることで、見た目も楽しく、栄養バランスも良くなります。赤ちゃんの食べる量に合わせて、少しずつ野菜の種類を増やしていきましょう。
【後期向け】ツナと人参入り和風おやき
離乳食後期には手づかみ食べができるメニューがおすすめです。このおやきは形が崩れにくく、赤ちゃんが自分で持って食べるのにぴったりです。
材料(2~3個分)
- ツナ水煮缶 大さじ1
- 木綿豆腐 大さじ1強
- にんじん 小さじ1
- 和風だし 小さじ1
- 片栗粉 小さじ½
- 油 少々
作り方
- にんじんは細かく刻んで下ゆでする
- ボウルに全ての材料を入れてよく混ぜ、小判型または丸型に成形する
- フライパンに薄く油をひいて両面に焼き色がつくまで焼く
- 粗熱が取れたら赤ちゃんが食べやすい大きさに切り分ける
このおやきは冷凍保存も可能です。作り置きして、忙しい朝や外出時のお弁当にも活用できます。
【完了期向け】豆腐ハンバーグ
離乳食完了期のお子さんにぴったりの豆腐ハンバーグです。家族の食事からの取り分けもできるので、家事の負担も減るでしょう。
材料(約6個分)
- 鶏ひき肉 90g
- 絹ごし豆腐 90g
- 玉ねぎ ¼個(みじん切り)
- にんじん ⅓本(小サイズ/みじん切り)
- 小松菜 数枚(細かく刻む)
- 片栗粉 大さじ1
- 醤油 少々
作り方
- 野菜類は下ゆでしたあと細かく刻む
- 全材料をボウルによく混ぜ合わせ、小判型または丸型に形成する
- フライパンに少量のオリーブオイルなどを敷いて両面を焼く
- 赤ちゃん用には小さめに取り分け、大人用には醤油やケチャップなどで味付けを足す
豆腐を加えることでふんわりとした食感になり、赤ちゃんも食べやすいハンバーグになります。多めに作って冷凍保存しておくと、忙しい日の救世主になります。
さらに詳しいレシピや冷凍保存のコツについては、こちらの記事をご覧ください。【離乳食後期】豆腐ハンバーグのレシピと冷凍保存のコツ!手づかみ食べにおすすめ!! | Sodate(ソダテ)
豆腐を使った離乳食の安心ポイント&注意点
豆腐は安全な食材ですが、離乳食として与える際にはいくつか注意点があります。赤ちゃんに安心して豆腐を食べさせるためのポイントをご紹介します。
最初は必ず加熱すること
離乳食で豆腐を使う際には、初回は必ず加熱してから与えるようにしましょう。普段はそのまま食べる豆腐も、赤ちゃんには加熱すると安心です。
加熱方法は以下のいずれかで十分です。
- 沸騰したお湯で1~2分茹でる
- 電子レンジで20~30秒加熱する
- 小鍋で軽く煮る
慣れてきた後期以降でも、基本的には加熱したほうが安心です。特に免疫力がまだ十分でない赤ちゃんには、加熱した食材を与えるのが基本です。
アレルギーチェックは慎重に
豆腐は大豆製品なので、大豆アレルギーのリスクがあります。初めて豆腐を与える際には、いくつかのポイントに注意しましょう。
まずは少量から始め、赤ちゃんの様子を観察します。同じ日に他の新しい食品と組み合わせないようにすると、万一反応が出ても原因を特定しやすくなります。
また、家族にアレルギー体質の方がいる場合は、特に注意が必要です。初めての食材は朝か昼に与え、何か異常があった場合にすぐ医療機関を受診できるようにしておきましょう。
豆腐選びのポイント
離乳食用の豆腐を選ぶ際には、できるだけ添加物が少ないものを選ぶと安心です。スーパーなどで購入する際は以下のポイントをチェックしてみてください。
- 国産大豆使用のものを選ぶ
- 消泡剤などの添加物が少ないもの
- 離乳食初期は絹ごし豆腐、中期以降は状態に合わせて木綿豆腐も
また、開封後の豆腐は早めに使い切ることも大切です。残った豆腐は水を替えて冷蔵保存し、できるだけ2日以内に使い切りましょう。
また、離乳食での豆腐の使い方や月齢別の適切な量と固さについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。離乳食で豆腐はどう使う?初期?完了期までの量と固さ、レシピを解説 | Sodate(ソダテ)
まとめ
豆腐は栄養豊富で消化がよく、離乳食初期から取り入れられる頼もしい食材です。やわらかく調理しやすいため、忙しい育児の合間でも手軽に離乳食を作ることができます。
初期はなめらかにすりつぶして、中期には少し粒感を残し、離乳食後期・完了期にはおやきやハンバーグなど手づかみできる形状にアレンジするなど、月齢に合わせた調理法で長く活用できます。
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